まず初めに、「大企業に投資することでリスクがゼロになる」という考え方は間違っていて、本来は、「これから伸びるであろう企業の成長を信じることが最も安全でリスクが低い」と考えるべきなのです。
誰しも知っている大企業であっても、社内事情で新商品が作られて、全くお客さんのことを考えていなければ、やがて経営危機がおとずれてリストラの嵐が巻き起こります。
それは、シャープの経営不振の例を見れば明らかだと思います。
地方の無名企業であっても、成長するところにいればそこにいる会社員は成長します。
東京の大企業であっても、成長しない場であれば会社員の成長も止まります。
日系の大企業にも、もちろん良さがあります。
部署が細分化されているので仕事を覚えやすく、研修制度も整っているので新入社員にとっては良い環境が揃っています。
とはいえ、大企業の文化にどっぷり浸かりながら過ごしていると、外資系企業やベンチャー企業で働いている人たちと比べて、「他者では使えない人材」になってしまう可能性が高くなってきました。
大企業のデメリットは何かというと、「全体が見えない」という点です。
会社全体がどのように活動しているのかがわからず、その点で自分が何をやっているのかは「機能」でしか測れないのです。
ビジネスを一言で説明すると、
「新しい商品やサービスを創造し、それを下請け業者や仕入先とともに開発・製造をし、それを自社や販売パートナーと商品・サービスを顧客に届けて、お客さんに満足していただくメンテナンスや製造をおこない、資金を回収し、それを社員や株主、債権者に配分していく・・・」
この一貫した流れがビジネスであり、大企業ではそれぞれの工程が部署単位になっています。
なので、大企業で働いていると、組織の部品の一部になっている感覚があって、「なんのために働いているのだろう」と働く目的を見失いやすいのだと思います。
働く目的を見失い、目の前の仕事だけをこなしている状態程、リスクの高い状態はありません。
その点、ベンチャー企業などの小さい会社は、社会との関係性がわかりやすいです。
「八面六臂」というベンチャー企業があります。
彼らのお客さんは、外食業を経営している人たちです。
水産物をはじめとして肉や野菜、調味料など、必要な食材をネットを介してお店に届けています。
八面六臂の社員たちは、自分がどの仕事をやっているかをよく理解しています。
組織の歯車の一部だという感覚が少なく、機能も分かりやすいと言います。
ベンチャー企業は自分で考え、行動していく人が求められているので、高いマインドセットで働くことができます。
ベンチャー企業ではなく大企業にいたとしても、人生の主人公は自分であり、自分が主体的に会社を動かしているんだ、と言いう意識を持つことは可能です。
そのためにも、「大企業=安心・安全」という思い込みは捨てる必要があります。