本能を利用して目標達成!!
二足歩行もままならなかった大昔なら、原始的な本能も、サバイバルに勝ち抜いて遺伝子を残すために役立ったと思います。
でも、今となっては邪魔なだけで、そのせいでかえって健康を損ねたり、貯金を使い果たしたり、SEXスキャンダルですっぱ抜かれて全国ネットのテレビ中継で謝罪するハメになったりし兼ねません。
文明人の私達に「大昔の祖先の本能なんか残っていなくても良いのに」と思ってしまいます。
しかし、そうは問屋がおろしません。
本来サバイバルの為に働くべきシステムが、現代の私達にとっては必ずしもありがたい存在とは言えなくても、原始的な自己を完全になくすべきだと考えるのは間違いです。
脳への損傷によって、その様な本能を失った人々に関する医学的研究結果を見れば、人間の持つ原始的な恐れや欲望が、健康や幸福、更には自己コントロールにとって、どれほど重要であるかが分かります。
最も奇妙な例としては、若い女性の発作を止める為の脳の手術の際に、中脳の一部を損傷してしまったケースがあります。
その結果、どうやらその女性は「恐怖」や「嫌悪」を感じなくなってしまったようです。
つまり、自制にとって最も重要な2つの本能を失ってしまったのです。
すると彼女は気分が悪くなるまでドカ食いしたり、あろう事か、父親や兄弟に度々性的な誘いをかけたりする様になってしまいました。
こうなっては、とても自己コントロールどころではありません。
私たちは欲望を失えば憂鬱になり、恐怖を感じ無くなれば危険から身を守れなくなります。
意志力のチャレンジで成功する事は、、そうした原始的な本能に抗うのではなく、むしろ利用できる様になる事でもあります。
自己コントロールのシステムとサバイバル本能は、必ずしも相反するものでは無いです。
時には、この2つが協力し合って、私達が良い決断をする為に役立っているのです。
例えば、あなたはデパートの店内を歩いているとします。
すると、とっても素敵な物が目に止まりました。
あなたの脳の原始的な部分が「買っちゃえ!」と叫びます。
値段を見ると、なんと20万円でした。
そんなとんでもない値段を見る前に、前頭前皮質に活躍してもらって、物欲をしぼせておくべきでした。
でも、もしその衝撃で値札に対して脳が疼痛反応を起こすとしたらどうでしょうか?
研究によれば、実際にそういう反応が起きる様です。
脳はそのバカ高い値札を腹に食い込んだパンチの様に認識します。
そんな本能的なショックのお陰で、前頭前皮質の仕事は楽になり、あなたは「やらない力」を振り絞る必要さえありませんでした。
意志力を強化する為には、いかにも人間らしい本能を逆手にとって利用する必要があります。
最も原始的な本能も、快楽を求める欲求も、集団に属したいという思いも含め、全てを目標達成の為に使うのです。
あなたは相手を知っていますか!?
まず相手のことを知りましょうね!